コリアニュース №217 (2008.4.25)
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広がりそうもないホワイトハウス「声明」の波紋
 米国の核専門家代表団の朝鮮訪問に関連し、朝鮮外務省スポークスマンは24日、朝鮮中央通信社記者の質問に答え次のように述べた。「22日から24日まで平壌でわが当該部門担当者と米国務省およびホワイトハウス高官、国防省およびエネルギー専門家らで構成された米国核専門家代表団との間で協議が行われた。協議では核申告内容をはじめとして10.3合意履行を終えるための実務的問題が討議された。協議は真摯で建設的に行われ、前進があった。」 この交渉に臨んだソン・キム米国務省朝鮮部長もその直後、滞在中のソウルで「極めて良い会談であった。本質的な協議を行った」と述べた。

  一方、ホワイトハウスはこれらの発言に合わせるかのように、昨年9月イスラエルが爆撃したシリアの施設は「平和目的とは思えない核施設」であり、それが「朝鮮の支援のもとに建設中であったことを確信している」とする「声明」を発表した。これに先立ち、米中央情報局は議会に対し非公開公聴会を開き、朝鮮のシリアへの核協力の「証拠」を示したとされる。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズによると、「証拠」の中身はシリアの施設を撮影したビデオテープと写真で、そこには「北朝鮮からの人と見られる人物の姿と寧辺原子炉に酷似した原子炉が登場する」らしい。

  ホワイトハウスの声明発表直後、ムスタファ駐米シリア大使は、「根も葉もない話」と一蹴し「これは米政権にとっての2度目の大きな恥となるであろう。彼らはイラク(の大量破壊兵器)についてウソをつき、またそれを繰り返そうとしている」(CNN)と述べた。朝鮮の寧辺核施設を視察したことのあるデイビッド・オルブライト米科学国際安保研究所所長は、「米国とイスラエルはプルトニウム再処理施設など核兵器関連施設に関する何の証拠も発見できなかった」とし、「シリアの施設が核兵器生産用であるという主張には懐疑的」と述べた。

  今回の公聴会開催やホワイトハウスの声明発表の背景に関して、ワシントン・ポスト(24日)は、政府の情報を十分に説明しなければ朝鮮の核問題関連予算を削減するとした有力議員らの圧力があると報じ、ニューヨーク・タイムズ(24日)は、チェイニー副大統領をはじめとするブッシュ政権内の強硬派が朝鮮との交渉に打撃を与えようとしているのではないかとの疑いが米国務省内に広がっていると伝えた。

  一方、AP通信は、ブッシュ政権が交渉を締めくくる手続きである可能性があると報じた。つまりブッシュ政権は、朝鮮とシリアとの核協力説の証拠を公開しながらも、「施設はすでに破壊されたので、もう脅威がなくなった」として、ことを済ませようとしているという分析だ。

  ハワード・ボーマン下院外交委員長は、「このことで6者会談が中断されてはならない」と警鐘を鳴らし、ジョセフ・バイデン米上院外交委員長は、今回の公聴会で示された情報が「交渉を止める口実にはならない」と述べている。また、米国務省のマコーマック・スポークスマンは定例記者会見で「行政府の義務事項である議会でのブリーフと6者会談は別」と強調した。

  中国外交部の姜瑜(ジアン・ユー)報道官も、朝鮮の核無能力化作業が積極的な成果を見せ、6者会談が現在2段階において進展している中、朝鮮とシリアの「核協力疑惑」がこれに影響を与えてはならないとの見解を示している。今回のホワイトハウスの「声明」の波紋は広がりそうもない。

  ただ、福田総理は「大変大きな問題」だとし、「大変憂慮している」(25日)らしい。