コリアニュース №408(2011.1.18)
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極度の緊張から対話モードへシフトし始めた朝鮮半島情勢
 昨年11月23日の延坪島砲撃戦を契機に緊張が高まった朝鮮半島情勢は、12月20日の南朝鮮軍による延坪島での砲撃訓練再開によって「第二の朝鮮戦争」の瀬戸際まで追い込まれたが、朝鮮人民軍側が報復砲撃を自制したことによって、緊張がほぐれ出している。中国の胡錦濤国家主席も1月19日の中米首脳会談を直前に控えた17日、米ワシントン・ポストとウォールストリート・ジャーナルとの共同書面インタビューの中で、「数週間前、朝鮮半島に高い緊張があった」が「緊張緩和の兆しが見えてきた」と述べている。

 12月23日付のニューヨーク・タイムズによると、米政府当局者は「米国と中国が北朝鮮をどう扱うかについての立場を共にし、微かな希望を生み出した。それは米国が北朝鮮と対話を再開することができるということである」と述べたという。12月27日には国務省副報道官が定例記者会見で12月16日~21日に訪朝した「ビル・リチャードソン元ニューメキシコ州知事は、スタインバーグ国務副長官と十分に電話会談を行い今回の訪朝で得た見解を伝えた。彼は多くの情報をもたらした。彼の見解は貴重であると考えている」と評価した。12月28日付のワシントン・ポストは「李大統領の強硬姿勢は、過剰に攻撃的な南朝鮮が自らに負担を強いることになるので、オバマ政権内では憂慮が大きくなっている」とし「今後数ヵ月間に、米国政府当局者はソウルに金正日政府との対話を再開するよう圧力をかけるであろう」と予測した。これを裏付けるように1月4日にソウルを訪問したボスワース朝鮮担当特別代表は仁川空港で「北朝鮮に関連した戦術の核心は真剣な交渉でなければはならないと信じている。出来るだけはやく交渉を開始できることを期待している」と述べた。1月13日付のニューヨーク・タイムズ社説によると「オバマ政権は北との対話に戻るよう南を突っつく(nudge)ことを決め、米政府当局も北との2国間対話と6者会談再開を検討している」とのことである。日本では前原外相が1月5日に「今年のひとつの大きなテーマは日朝間の対話だ。6者会談の場だけではなく、日朝両国間で着実に対話が出来る状況を作ることが重要だ」と述べ、朝鮮中央通信が1月8日にそれを評価する報道をするなど、微かではあるが対話への兆候が見え始めた。

 ゲーツ米国防長官は1月14日、ソウルで行われた南朝鮮国防相との会談の冒頭で「南北対話として始まる外交交渉が可能」であり「北朝鮮との対話が生産的であることが期待され北朝鮮が誠意ある態度に出てくれば、6者協議再開も可能だ」と述べたが、南の青瓦台の千英宇外交安保首席秘書官は同日、アメリカ公共放送(PBS)とのインタビューで「北は長く持たない」「北における『変化』の内部エネルギーが大きくなっており、非常に深刻な状態に陥る可能性がある」と述べて北との対話を事実上拒否した。PBSは「南が北の対話提案に応じると思っていたが誤りであった」とコメントした。マイク・チノイ南カリフォルニア大学米中研究所首席研究員は1月2日、CNN.Webで「ウィキリークスが暴露した米外交文書によると…過去2年間南朝鮮政府当局は、北朝鮮が混乱に陥っているという考えを米国に納得させるために努力してきた。…問題は2011年の現時点で南が『間違っていた』ということにある。米国と南朝鮮の強硬路線は北の核能力の拡大と南への軍事力行使を押さえる上で、何の役割も果たさなかった」と述べているが、オバマ政権はこのような反省を踏まえ対話モードに移ろうとしているようである。しかし、南の李明博政権はこれに逆らおうとしている。19日の中米首脳会談とその後の展開に注目である。(了)