コリアニュース №417(2011.3.5)
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深まる朝中、朝ロの交易事業
今年に入り朝中、朝ロ間の交易事業がより一層深まりつつある。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が5日伝えたところによれば、中国商務部は4日、今年1月の朝中間貿易額を3億5,300万ドルと発表、これは昨年1月(1億4,800万ドル)の2.3倍増になる。特に朝鮮の対中国輸出が1億2,900万ドルで昨年に比べ3.5倍も増加したという。

 一方、22日の聯合ニュースによると、ロシアの地域開発部は、朝鮮とロシアの両政府間で2007年以降中断していた「朝露政府間通商経済及び科学技術協力委員会」について、2月19日からモスクワを訪問していた同委員会朝鮮側委員長である李竜男貿易相とロシア側委員長のビクトル・バサルーキン地域開発部長官との会談後に発表した報道文で「両者はロ朝地域間の協力強化方案を論議し、経済協力委員会第5次会議開催の為の準備を継続していくことに合意した」ことを明らかにした。また、この会談で朝鮮に対するロシアの人道的救援物資の支援問題と南北朝鮮とロシアが参加する3国投資協力問題なども論議したことも明らかにした。また会談を控えてバサルーキン長官は「ロシアは韓国と朝鮮が参加するシベリア横断鉄道(TSR)と朝鮮半島縦断鉄道(TKR)の連結、朝鮮領土を通過するロシア産ガスの韓国供給のためのガス管付設、ロシアと朝鮮半島の電力線連結など大規模プロジェクトの実現に関心が大きい」と強調し「このようなプロジェクトの実現は朝鮮半島の緊張緩和と韓国、朝鮮間の和解がなされてこそ可能になりえる」と述べたという。
朝鮮を取り巻く民間交流、経済活動が活発化
 米「韓」合同軍事演習などにより朝鮮半島の軍事的緊張が高まっている一方、朝鮮を取り巻く民間交流や経済活動が活発化している。

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)はオランダの国際情報技術諮問会社「GPIコンサルタンシー」が今春、朝鮮への投資視察団を計画していると4日報じた。GPIのポール・チア代表は、朝鮮で新たなビジネスチャンスを模索する企業を相手に、5月14~21日の日程で、朝鮮の企業訪問や春季平壌国際商品展覧会への参観などを目的とする朝鮮貿易投資視察団を募集するという。同代表は、「(朝鮮は)外国企業にも門戸を開いており、労働費用が低い一方で労働者らの技術は最高水準である」としながら、「厳しい経済状況に直面している企業にとって朝鮮は魅力的な代案になり得る」と述べた。GPIは昨年9月にも欧州企業訪朝団を率いた。

 一方、朝鮮で製造され南朝鮮でも親しまれている「大同江(テドンガン)ビール」がこの夏、米国市場に進出するという。自由アジア放送(RFA)が3日伝えたところによると、昨年9月30日に米財務省外国資産管理局(OFAC)の敵性国家交易法許可室(TWEALS)が米州朝鮮平壌貿易会社のスティーブ・パク代表に送った書簡に、朝鮮で製造された「大同江ビール」1万7,460箱(423,360本)の輸入を許可する内容が記されていた。朝鮮産ビールの米国入りは初めて。販売は「タングス・リカー(Tang's Liquor Wholesale)」社が行うという。米国向け「大同江ビール」は、アルコール5.5度、麦含量11%で640mlビン入り。今年5月頃に朝鮮を出港し6~7月頃米国に到着した後、米国の一般的なビールの価格に近い値段で、ニューヨークやニュージャージーを中心とした米東部で先行販売される計画だという。(了)