コリアニュース №433(2011.6.14)
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米国、6者会談再開のための新しい道筋を模索か
 金正日総書記の電撃的な訪中の直後に朝鮮が北南秘密接触の事実を公開するなど、李明博政権との絶縁を明確に示したのを受け、6者会談再開のための「3段階案」(北南会談―朝米会談―6者会談)の先行きに注目が集まっている。

 そのような中、6日にカート・キャンベル米国務省次官補が中国を訪問し、崔天凱中国外務省米州担当副部長と武大偉中国6者会談首席代表と会談している。また、南朝鮮の魏聖洛(ウィ・ソンラク)朝鮮半島平和交渉本部長が9日に北京で武大偉特別代表と会談し、10日にはロシアのグリゴリ・ログビノフ6者会談次席代表、カート・キャンベル米国務次官補とそれぞれソウルで会談した。

 特に、「3段階案」の有効性を主張した魏本部長に対し、武代表は「南北対話は容易ではない」という見方を示すとともに、同段階案が「再び機能するのは難しい」との認識を伝えたという。

 このように関連国が目まぐるしい駆け引きを繰り広げているが、特に1月の中米首脳会談で6者会談の早期開催に合意した米国が、6者会談再開のための3段階案を固守していくのか、あるいは北南対話の実現は困難だという現実的な判断の下、新しい道筋を選択するのか、様々な憶測が飛び交っている。

 7日付の自由アジア放送(RFA)は、米国の専門家のあいだでは北南対話先行の6者会談再開プロセスを変更できないという見解がある一方、米国が6者会談再開のプロセスにとらわれず新しい道筋を選択する可能性もあると伝えている。同報道によると米戦略国際問題研究所のラリー・ニクシュ研究員は「南朝鮮が天安艦と延坪島事件に対して融通性を発揮しなければ、米国が(南北対話を)いつまでも待つのは難しい」と述べ、「オバマ政府が北朝鮮とのニューヨークチャンネルを拡大し、中立的な第3国で高官会談をもつ可能性も排除できない」と指摘した。また、ワシントンの民間政策研究所のジョン・ペッパー研究員も「6者会談の3段階開催案の成功が難しい中、他の方法も考慮しなければならない」としながら「米国と北朝鮮が静かに会って、核の安全問題を論議し推進力を確保した後、南北会談を推進する方法も考慮できる」と指摘した。また、米中の消息筋によると北南会談、朝米会談を飛び越え、6者会談を開催する案も取り沙汰されているという。

 一方、3日付のハンギョレ新聞の社説によると先日、米国務省の政府代表団を引き連れて訪朝したロバート・キング米国務省北朝鮮人権特使は、米下院外交委員会聴聞会で南朝鮮政府が対北食料支援に反対している事実を明らかにし「(米国)は一部の問題について(南側政府の見解)に同意できない」と釘を刺したという。

 朝中両首脳は「6者会談の再開など対話を通じて平和的解決を追求し、障害的要素を取り除く」ことに合意しているが、米国が新しい道筋を選択した場合、まさしく八方ふさがりになる李明博政権がどう対応するのか、今後の動向に目が離せない状況だ。(了)
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