コリアニュース №449(2011.10.11)
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朝米両国が目指す10月末の政府間会談とそれを阻害する要因
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は10月10日、南朝鮮の青瓦台高官の話として、「米国など関係諸国が今月末の米朝対話の実現を目指しており、正確な日時と場所は10月13日の韓米首脳会談終了後に確定されるであろう」と報じた。これに先立ち、南朝鮮側の6者会談首席代表であるイム・ソンナム朝鮮半島平和交渉本部長が先週末、ワシントンを訪問しビル・バーンズ国務省副長官らとこの問題を協議し、10月末の朝米対話再開の方向で意見の調整がなされたという。

VOAによると、朝米両国は現在ニューヨーク・チャンネルを通して、2度目の政府間対話の具体的な日時や場所など諸問題を協議中であり、場所は第三国、とくにベルリンやジュネーブなどヨーロッパ地域が有力視されているという。

今度の会談で米国は、長距離ミサイルの発射や核実験の凍結、国際原子力機関の査察団の復帰、ウラン濃縮プログラムの中断などの事前措置問題で妥協しない立場であり、朝鮮側もウラン濃縮中断については断固拒否する立場を堅持しているという。

事実、10月8日の朝鮮中央通信は「世界が平和目的の核エネルギーを開発利用する方向に進んでおり」、「これは誰も阻止することが出来ない主権国家の合法的権利である」と主張した。

今後開かれる朝米会談は、互いの立場を確認しあった前回のニューヨーク会談とは異なり、互いの譲歩を引き出そうとする熾烈な駆け引きが展開される本格的な交渉となることが予想されるが、すでにその前哨戦が始まっているかのようである。

一方で、北南将官級軍事会談の北側代表団団長は10月8日、「良好に発展する情勢に逆行して、北側領海への侵犯と軍事境界線地域での反北ビラ散布を無分別に行っている」として南側軍当局に通知文を送り「わが軍隊と人民はすでに世界に明らかにしたように、南側の挑発的な戦争行為にやむを得ず物理的に対応しなければならなくなっており、それに伴う万端の態勢を整えている」としながら「南側は、現状をしっかりと見据えて、和解と協力か、物理的対決かという深刻な岐路のうえで賢明な選択をすべきである」と強く警告した。

朝米間で対話に向けた動きが本格化しているとはいえ、停戦という不安定な状態にある朝鮮半島においては、偶発的な出来事が対話を台無しにするどころか、軍事的衝突をも引き起こすことはすでに実証ずみである。米国や南朝鮮当局はそれを肝に銘じるべきであろう。(了)

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