コリアニュース №484(2012.11.6)
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朝鮮の国連次席大使、IAEA事務局長の年次報告書を強く批判
 IAEAの天野之弥事務局長は11月5日、国連に提出した年次報告書で、朝鮮民主主義人民共和国の核プログラムについて「深刻に憂慮している」とし、ウラニュウム濃縮活動や軽水炉建設についても「深く悩ませている」などと批判した。

  これに対し、同日行われた国連総会で朝鮮の李ドンインル国連次席大使は強く反発した。

 李次席大使は「いまの朝鮮半島の状況と展開を見ると、米国がわが国に対しより大きな敵意をもって威嚇と脅迫の度を高めている」としながら、「朝鮮半島情勢は爆発寸前であり、いつ戦争が起きるかわからない状況である」と警告した。

 また、4年近く開かれていない6者会談については「現時点では瀕死の状態である」とし、「わが国は、完全な核保有国として、核活動に関してIAEAの調査を受けない米国など他の核保有国と同等な扱いを受けるべき」との原則的立場を明らかにした。

 そのうえで、「IAEAが盲目的に米国側に追従しているので、朝鮮は核不拡散条約(NPT)とIAEAから脱退した」としながら、「IAEAは東アジアで核の緊張緩和に向けて何の役割も果たしていない」と批判した。

  エジプト出身のエルバラダイ氏に替わって2009年12月にIAEA事務局長になった日本外務省出身の天野之弥氏の米国偏重は顕著である。

 米国の意をくんでイランや朝鮮の原発建設を非難するのはもちろんのこと、日本で起こっている「原発ゼロ」の動きにまで懸念を示す始末である。

  ウィキリークスが暴露した米国の駐ウィーン国際機関代表部による本国への公電(2009年10月)によって、天野氏が「米国のIAEA担当大使に対して『高官人事からイランの核兵器開発疑惑まで、あらゆる戦略的な重要決定について、断固として米側に立つ』と繰り返し示唆した」(2010年12月2日付の英ガーディアン紙)ことが明らかになったが、それが紛れもない事実であったことは、その後の彼の言動が実証しているといえよう。

  国際社会で反米自主を貫いてきた朝鮮が今のIAEAに耳を傾けるわけがない。

 (了)

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