コリアニュース №525(2014.1.17)
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朝鮮民主主義人民共和国国防委員会、南朝鮮当局へ重大提案

金正恩第一書記が今年の新年の辞で行なった祖国統一に関する呼びかけにしたがって、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は1月16日に「わが民族同士の団結した力で北南関係改善の活路を開こう」と題する重大提案を南朝鮮当局に送った。

以下にその全文を掲載する。

つらい悲劇的な民族分裂史に21世紀14度目の年輪が刻まれた。

歳月が流れるほど深まっていくばかりのわが同胞のもっとも大きな痛みは、外勢によって強要された国土分断と民族分裂の厳然たる現実である。

それに終止符を打つという断固たる決心をもって、今年最初の黎明の時刻に内外に明かにした絶世の愛国者の愛族、愛民の熱い呼びかけ(別紙参照)と祖国統一、平和繁栄を一日でも早く実現させようという鉄の意志は、朝鮮半島全土と全民族はもちろん、世界の良心を熱くさせた。

しかし、唯一南朝鮮の現執権者たちだけが、遺伝により体質化された対決の沼から抜け出せないまま、新年早々から不穏な騒ぎをおこしている。

厳しい状況に向かっている北南関係における現在の行き詰った局面がまるで、われわれのせいであるかのように世論をデッチ上げ、知りもしない他人の家庭内のことをむやみに引き合いに出して「急変事態」という空虚な夢をみるあまり、ありもしない「挑発」と「脅威」をねつ造し情勢を故意に緊張させている。

ひいては、世紀と年代を越えて嫌気がさすほど使ってきた常套手段そのままに、「年例的」で「防御的」という口実のもと、毎年行ってきた侵略的な「キー・リゾルブ、フォール・イーグル」合同軍事演習までも時期を早めて2月末から強行すると騒ぎ立てている。

この戦争演習の中で計画されている「双龍」上陸作戦演習だけをみても、平壌への攻撃を狙い最大規模で行われるという。

問題の危険性は、このような軍事的な動きが、米国侵略軍の多くの戦車や装甲車集団、飛行隊編隊をはじめとする新しい海、空軍戦力が南朝鮮とその周辺地域に密かに展開されている状態で進んでいるという点にある。

事態の重大性を鑑み、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は、共和国の政府、政党、団体の委任により、南朝鮮当局に次のような原則的問題を提案する。

北南関係改善の雰囲気を作り出そうとする熱い呼びかけに応じ、実践的な措置から取ることを提案する。

北南関係を改善し、民族的和解と団結を実現することは、わが軍隊と人民の変わらぬ立場である。

したがってわれわれは、来る1月30日から旧正月を機にまず、互いを刺激し誹謗中傷するあらゆる行為を全面中止する実際的な措置を取ることを南朝鮮当局へ正式に提起する。

今年は、歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言の精神にのっとり、北南間で互いの誹謗とあらゆる形の心理戦を中止する「6.4合意」から10周年となる意義深い年である。

民族の前に誓ったこの合意を尊重するならば、われわれの提起を受け入れられない理由は何もないはずである。

真に北南関係が改善されることを望むならば、当局者自身から言葉遣いに気をつけ、メディアを関係改善の雰囲気醸成へと導き、朝鮮半島全域に和解と団結の熱風を起こさなければならない。

百害無益の誹謗中傷と反目嫉視の悪循環に終止符を打ち、わが民族同士平和に暮らすべきだという同胞たちの言葉にこれ以上耳をふさいではならない。

民族の安全と平和を守ろうという歴史的呼びかけに呼応し、相手方に対するあらゆる軍事的敵対行為を全面中止する実際的な措置を取ることを提案する。

些細な偶発的衝突もすぐに全面戦争へと拡大する恐れがあるのが、今日の朝鮮半島の現実である。

この地で起きる戦争は、大国には漁夫の利を与え、わが同胞には民族が共に滅びる想像を絶する災難をもたらすことになろう。

したがって、われわれは外勢と野合し同族をターゲットにして繰り広げられるすべての軍事的敵対行為を無条件に即時中止することをいま一度提起する。

当面、南朝鮮当局は「年例的」で「防御的」であるという口実のもとで2月末から強行しようとする「キーリゾルブ、フォールイーグル」合同軍事演習から中断する政策的決断を下すべきである。

米国との「合同」や「協同」がそれほど大事ならば、それを朝鮮半島の領土や領海、領空から遠く離れた静かな場所や米国にでもいって行うべきだというのがわれわれの立場である。

われわれについて言うならば、今まで同様現在はもちろんのこと、これからも外勢を引き込んで民族の安全と平和の障害となる軍事的行動を行うことはないだろう。

われわれは、銃口を突き合わせている西海の5つの島のホット・スポットを含む地上、海上、空中で相手方を刺激するあらゆる行為を全面的に中止することを特に強調し提案する。

この提案の実現のためにわれわれは実践的な行動を先に見せるだろう。

この地における核の災難を防ぐための現実的な措置も互いに取っていくことを提案する。

朝鮮半島の非核化は民族共同の目標である。

したがって、朝鮮半島非核化の実現は、わが軍隊、人民の変わらぬ意志である。

われわれが保有する核と並進路線について言うならば、それはわが民族すべてに対する米国の核脅威と恐喝を終わらせ、朝鮮半島の非核化はもちろん、世界の非核化までをも見据えた民族共同の宝剣であり、もっとも正当な自衛的選択である。

われわれの核は徹頭徹尾、米国の核威嚇を抑止するための手段であり、決して同族を脅し害するための手段ではない。

われわれはこの機会に、南朝鮮当局がこれ以上米国の危険な核兵器を南朝鮮とその周辺地域に引き入れる無謀な行為に固執しないよう厳粛に提案する。

同族を害する外勢の核は容認し、全同胞を守る同族の核は認めないという二重行動と決別すべきだというのがわれわれの主張である。

以上のようなわれわれの重大提案には、外勢を排しわが民族同士の立場で、祖国の自主的統一と平和繁栄を実現しようとする全同胞の志向と要求が込められている。

この重大提案が実現されれば、離散家族の再会をはじめとする北南関係における大小様々な問題がすべて解決されるだろう。

わが民族同士の団結した力で、北南関係改善の活路を開いていこうというのが、わが軍隊と人民の一貫した要求である。

われわれは、南朝鮮当局がわれわれの原則的な重大提案に肯定的に応じてくるとの期待を表明する。

朝鮮民主主義人民共和国国防委員会

チュチェ(2014年)1月16日

【別紙】

 

金正恩第一書記が2014年・新年の辞で行なった祖国統一に関する呼びかけ

 

今年は、偉大な金日成主席が祖国統一に関する歴史的文書に生涯最後の親筆を残した20周年に当たる年です。

 

 われわれは、偉大な金日成主席と金正日総書記の遺訓を体して今年、祖国統一運動で新たな前進を遂げなければなりません。

 

 祖国の統一問題を同胞の志向と要求に即して解決するには、外部勢力を排し、わが民族同士の立場を確固と堅持しなければなりません。

 

  祖国統一の主体は、北と南、海外のすべての朝鮮民族であり、祖国の統一はもっぱら、わが民族同士の立場に徹底的に立つとき、民族の利益と要求に即して自主 的に実現できます。わが民族の問題、北南関係の問題を外部に持ち出し「国際共助」を請託するのは、民族の運命が外部勢力に弄ばれることを許す恥ずべき事大 主義的売国行為です。

 

北と南は、祖国統一の3大原則と北南共同宣言で明らかにされた自主の原則を堅持し、わが民族同士の立場に確固として立つべきであり、 共同宣言を尊重し誠実に履行すべきです。

 

民族の安全と平和を守るために積極的に闘わなければなりません。

 

米 国と南朝鮮好戦勢力は朝鮮半島とその周辺に核戦争装備を大々的に引き入れ北侵核戦争演習に狂奔しており、これによって些細な偶発的軍事衝突も全面戦争に拡 大しかねない危険な情勢が生じています。もはやこの地で再び戦争が起これば、それはおびただしい核の災難をもたらすであろうし、米国も決して無事ではいら れないでしょう。すべての朝鮮民族は内外の好戦勢力の対決と戦争策動を絶対に許してはならず、断固阻止し破綻させなければなりません。

 

北南関係改善のための雰囲気を醸し出さなければなりません。

 

  わが民族が外部勢力によって分断されたまま暮らしているだけでも胸が痛むのに、同族同士が誹謗、反目、嫉視し合うことを許してはならず、それは朝鮮の統一 を望まない勢力に漁夫の利を与えるだけです。百害無益な誹謗中傷をやめる時であり、これ以上和解と団結を阻害するようなことをしてはなりません。南朝鮮当 局は無謀な同族対決と「従北」騒動をやめ、自主と民主、祖国統一を求める同胞の声に耳を傾け北南関係改善へと向かうべきです。われわれは、民族を重視して 統一を望む人であればそれが誰であれ、過去を問わず共に進むであろうし、北南関係改善のために今後も積極的に努力するでしょう。

 

 北と南、海外のすべての同胞は、真の愛国の旗、わが民族同士の理念の下に固く団結し祖国統一のための挙族的な闘いに力強く立ち上がることによって、今年、自主統一と平和繁栄の新たな局面を切り開いていくべきです。

 

 昨年、国際舞台では主権国家の自主権と人類の生存権を脅かす帝国主義の干渉と戦争策動が絶え間なく続きました。

 

 特に、世界最大のホット・スポットである朝鮮半島では、わが共和国を圧殺しようとする敵対勢力の核戦争策動によって一触即発の戦争危機が生じ、地域と世界の平和と安全を重大に脅かしました。

 

  わが民族にとって平和はこの上なく貴重ですが、それは望んだり哀願したからといって成し遂げられるものではありません。朝鮮半島にわれわれをターゲットに した核戦争の暗雲が恒常的に垂れこめている状況のもとで、われわれは決して袖手傍観することはせず、強力な自衛的力で国の自主権と平和、民族の尊厳をしっ かりと守っていくことでしょう。

 

 わが党と共和国政府は今後も、自主、平和、親善の対外政策理念を確固と堅持し、わが国の自主権を尊重し、われわれに友好的に接するすべての国との友好協力関係を拡大発展させ、世界の平和と安全、人類共同の繁栄のために積極的に努力することでしょう。

 

 

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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