コリアニュース №544(2014.5.22)
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労働新聞、警察当局による朝鮮総聯傘下の商社などに対する違法捜査を糾弾

朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』5月19日の記事と20日の論評で、日本の警察当局が5月12日に朝鮮総聯傘下の商社などに違法な強制捜索を敢行したことを暴露し、「ファッショ的暴挙」、「卑劣な政治テロ行為」などと糾弾した。

以下に全文を紹介する。

日本の警察当局、朝鮮総聯の同胞企業に対する強制捜索を敢行 労働新聞 2014年5月19日 日本の警察庁は、京都府、神奈川県、山口県、島根県の各警察本部で「合同捜査本部」を立ち上げ、5月12日に「外国為替法違反容疑」という口実で朝鮮総聯傘下の商社と同胞企業など20ヶ所を強制捜索する暴挙に出た。

警察当局はある同胞の会社が「中国から輸入した松茸が『朝鮮産松茸』である」とし、これを「外国為替法違反容疑」にかけて強制捜索を行った。

看過できないのは、この会社の社長と役員が4年前まで朝鮮特産品販売株式会社と海洋薬業株式会社で働いていたというただ一つの理由だけで、何の関連もない総聯傘下の商社に対し警察官を大々的に動員して強制捜索を奇襲的に行ったことである。

この日、朝鮮特産品販売株式会社社長宅では、妻の母が亡くなった祭事がおこなわれていた。

にもかかわらず、警察当局は捜査員13人を動員し午前7時から午後3時まで威圧的な強制捜索を行った。

また、株式会社・海洋の代表取締役宅に対しては捜査員10名が午前7時から午後10時30分まで、会社事務所に対しては捜査員16名が午前10時から午後11時まで家宅捜査を行った。

今回の強制捜索は徹頭徹尾、警察庁の直接的な指示のもとに行われたものである。

警察庁は政府の拉致問題対策本部・事務局長に新しく登用された者が本部長を務めていた神奈川県警察本部に今回の「合同捜査本部」を設置し、捜索令状は京都府警察本部が京都地方裁判所から受けるという非常に異例的な措置を取った。

また、警察庁は「外国為替法違反容疑」の法的根拠が非常に希薄なため、強制捜索はするものの逮捕者は出さず公開もしない代わりに、徹底的に捜索し最大限の資料を押収しろとの指示を内々に下ろしていた。

朝鮮特産品販売株式会社社長宅の強制捜索に立ち会った弁護士が「『外国為替法違反』の内容は何であり、それとこの会社がどういう関連があるのか」と強く抗議し追及したにもかかわらず、警察官たちは一切無視し、「強制権の捜索だ」と言うだけで捜索を強行した。

大阪の税関員が捜索中に「押収品目録交付書」に「被疑事件に関連する押収品は一つもない」と記録して先に帰ったが、警察官たちは執拗に捜索を継続した。

とくに株式会社・海洋に対する強制捜索で警察官たちは「朝鮮語が分からない」として、「朝鮮語の文書と資料はすべて無条件に持って帰って調査する」と公然と言いながら、個人の手紙、ひいては結婚式の写真まで手当たり次第すべて押収していった。

このような狂乱的な暴挙は、朝鮮総聯第23回全体大会を目前に控え、さらに総聯中央会館に対する売却許可決定に対して総聯が行った執行抗告を東京高等裁判所が棄却した日に合わせて行われた、総聯と在日同胞に対する許しがたい政治弾圧、人権蹂躪である。

強制捜索現場に立ち会った弁護士など法曹界の人々は、今回の強制捜索は刑事訴訟法を完全に無視した違法的な捜査、総聯弾圧を狙ったファッショ的暴挙であり、そこには、総聯の内部事情を徹底的に調査・掌握し、新しい「容疑」をでっち上げ、いつでも中央本部をはじめとする総聯の各機関を強制捜索できるようにしようという陰湿で凶悪な企みが潜んでいると異口同音に述べている。

また、同胞の個人的商社の「外国為替法違反容疑」とは何の関係もない朝鮮特産品販売株式会社と株式会社・海洋の関係者に対する「関連捜査」という令状を出した裁判所も違法な捜索の加担者だと非難している。

とくに「関連捜査」というあいまいな口実をもって捜索範囲を無制限に拡大した今回の強制捜索は日本帝国主義時代に「治安維持法」のもとで敢行された特高警察の「予備検挙」(容疑のあるなしに関係なく、警察側が恣意的かつ一方的に捜索、検挙したこと)と変らない非常に深刻で危険な暴挙であると糾弾の声を上げている。

誇り高い自主国家・朝鮮の海外公民団体である総聯と在日同胞に対する悪辣な政治弾圧と反人倫的な人権蹂躪行為を絶対に容認することは出来ない。

警察庁のファッショ的暴挙によってもたらされるすべての事態に対する責任は全面的に日本当局が負うことになるであろう。

総聯抹殺を狙った卑劣な政治テロ行為 労働新聞・論評2014年5月20日 でたらめな容疑ねつ造とその正当化のための連鎖的な強制捜索騒動は、朝鮮総聯を抹殺するための日本当局の常套手段である。

数日前、日本の反動らはまたこの手段を適用し、総聯と在日同胞たちに対する狂乱的な弾圧騒動を起こした。

「外為法違反」を云々し、「合同捜査本部」を組織した日本の警察庁は、5月12日、総聯と関連する20ヶ所に対する奇襲的な強制捜索を敢行した。

理由は、同胞企業が海外で輸入した松茸が「朝鮮産」であったということだ。

しかし、それは口実に過ぎない。

今回の強制捜索騒動は、総聯を抹殺するための悪辣な政治的テロ行為、初歩的な人間性すら喪失した悪人たちの反人倫的犯罪行為である。

 それは何よりも無法の極みである。

客観性と公正性は法執行の生命であり、科学的捜査は明白な犯罪事実に基づかなければならない。

しかし「法治国家」といわれる日本の警察当局はこれを無視し、事実無根の「容疑」を云々し、無分別な強制捜索を行った。

証拠などもちろんなかった。

彼らが狙ったのは他でもない証拠ねつ造であった。

それは「外為法違反容疑」の証拠が非常に希薄なので、強制捜索はするが逮捕はもちろんのこと、公開もせず、捜索の過程で出来るだけ多くの「証拠を確保」するとの警察庁の内部方針を見てもよくわかる。

法的妥当性が欠如しているので、日本の警察は同胞企業のいわゆる「外為法違反」の内容などを明かせよという法律関係者の要求に「強制権を持った捜索」だという答えにもならない答えしかできなかった。

当初から彼らが騒ぐ法執行というものは、みずからの不法行為を正当化するための方便にすぎない。

 さらに憤りを禁じえないのは、いわゆる「容疑者」たちが4年前まで勤務していたという理由で、事件とは何の関連もない朝鮮特産物販売株式会社と株式会社・海陽など、総聯関連企業と自宅まで無差別に捜索したことである。

日本帝国主義時代に悪名高い「治安維持法」というものがあった。

「不穏勢力監視」の口実のもと、容疑があろうとなかろうと人々を無差別に捕まえた予備検挙は、この悪法の代表的象徴であった。

曖昧な口実で総聯関連の団体に対する捜索範囲を無制限に拡大する日本の反動による今回の策動はまさにそれとまったく同じである。

結局、今回の強制捜索騒動は「法治」という帽子をかぶった非常に不純な政治テロ行為、総聯を迫害し瓦解・抹殺するためのファッショ的行為である。

 今回、日本特有の卑劣でと野蛮な気質も露呈した。

亡くなった義母の法事を行っている朝鮮特産物販売株式会社社長宅に押し入った警察官たちは、延べ8時間もの間、喪中宅をくまなく捜索した。

まさに、人間性などひとかけらもない悪事であった。

「朝鮮語を知らない」という口実で、朝鮮語で書かれた文献や資料、ひいては個人的な手紙や結婚式の写真まで手当たり次第に押収したこともまた、白昼堂々の強盗行為であった。

これによって、日本の反動たちはみずからの犯罪的目的を実現するためなら、法はもちろん人倫なども眼中になく襲いかかるかれらに固有の奸悪性と道徳的低劣性を露わにした。

 日本当局の強制捜索騒動は、総聯とその傘下団体及び同胞企業に「違法行為」を行う勢力とのレッテルを貼って苦しめ総聯全体を弾圧・抹殺しようという奸悪な企みであるとして、わが人民のこみ上げる憤慨を呼び起こしている。

 日本の反動たちの弾圧策動は、朝鮮総聯第23回全体大会を目前にして行われたことからより深刻である。

強制捜索が行われた日に、東京高等裁判所が総聯中央会館に対する東京地方裁判所の売却許可決定に関連し総聯が提出した抗告を却下したことも偶然の一致ではない。

われわれはすでに、総聯中央会館問題の解決なしに朝日関係の進展もないとの立場を明白にした。

日本の反動たちが総聯中央会館問題が話題になる日にこのような強制捜索を行ったのは、総聯のイメージを損ない、中央会館問題に関わる内外の抗議・糾弾の声をうやむやにしてしまおうとする狡猾な企みの表れである。

すべての事実は、このような妄動が故意的で計画的な挑発行為であり、総聯を抹殺するための日本の反動の策動が極めて無分別な段階に至っていることを物語っている。

 われわれは、日本の地で苦痛を強いられているわが民族の肉親である在日同胞とその組織である総聯に対する卑劣な政治弾圧を決して傍観することはできない。

再度明確にしておくが、総聯の活動を保障し在日朝鮮人の人権と生活権を保護するのは、日本政府の法的義務であり、道徳的責任である。

朝日関係の展望もそれと関わっている。

われわれは、日本当局の今後の行動を鋭意注視するであろう。

(了)

●「朝鮮中央通信社」(日本語) http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jp

●エルファテレビ  http://www.elufa-tv.net/


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