朝日友好ニュース 5 (2010.5.8)
印刷
平和と友好の新たな100年を! 2010「在日朝鮮人歴史・人権月間」奈良で集会
 奈良県の12の市民団体が共同で実行委員会を作り主催した2010「在日朝鮮人歴史・人権月間」関西集会が4月24日、奈良県解放センターで行われ、奈良をはじめとする各地の関係諸団体代表、同胞、日本市民ら約200人が参加。北南朝鮮との平和と友好の新たな100年を築くために共感の輪を広めていくことを確認した「関西集会アピール」と、「『無償化』制度の朝鮮学校(高級部)への適用を求める要請」がそれぞれ採択された。会場では写真展も開かれた。  「韓国併合100年・今こそ平和と友好に向けて〜ともに学び理解しあうために」と題した集会は「劇団水曜日」の演劇「海を越えてつながる私たち」で幕を開けた。  実行委を代表してあいさつした小南昌紀共同代表(奈良平和フォーラム代表)は、今年は「韓国併合」100年を迎える節目の年であり、過去の歴史を踏まえ未来に向けてどのような歴史を残すのかが問われていると強調した。また、「無償化」制度適用において朝鮮学校だけを先送りにしたことは、朝鮮学校の生徒たちを傷つける許しがたい暴挙だと指摘し、適用に向けて力強く運動を広げていこうと呼びかけた。  集会では、康成銀・朝鮮大学校教授と有元幹明・「日朝国交正常化早期実現を求める市民連帯・大阪」共同代表が基調報告を行い、金順伊さん(70、奈良県橿原市)が「在日2世・70年の歩み」というテーマで証言した。(5月6日付、朝鮮新報から)
「韓国併合」100年 東京・水道橋で女性集会
 「韓国併合100年 日本と朝鮮半島の今を問い日朝国交正常化の実現を!女性集会」(清水澄子実行委員長)が4月25日、在日本韓国YMCA(東京・水道橋)で開かれた。和田春樹・東京大学名誉教授、内海愛子・早稲田大学大学院客員教授、清水澄子・I女性会議常任顧問など約200人の朝・日の女性たちが参加した。  「三多摩日朝女性のつどい」の都丸泰江さんが開会宣言をしたあと、「2・8独立宣言」に関するDVDが30分間上映された。続いて「アジア女性と連帯する朝鮮女性協会」と「平和を作る女性の会」から届いた激励のメッセージが紹介された。  和田氏が「韓国併合100年を迎え、日本人と朝鮮人の課題」と題して基調講演を行い、「併合は強制的になされた、まったく不義不正なものであった」と前置きしたうえで、「両者の完全な意思、平等の立場において締結された(1965年11月9日、国会での佐藤首相の答弁)」と主張する、日本政府のゆがんだ歴史認識が正されぬまま今日に至っていると指摘した。  午後には、「新たな日朝関係をどう築いていくか」というテーマで、「東京日朝女性のつどい」の重藤都さんの司会のもと、在日同胞女性の安正恵氏、内海氏、清水氏らによる討論が行われた。(5月7日付、朝鮮新報から)
日朝連絡会 首相に要望書 「関係改善への措置を」
 「東北アジアに非核・平和の確立を! 日朝国交正常化を求める連絡会」メンバーらが4月8日、首相官邸と外務省を訪れ、鳩山首相と岡田大臣あての「日朝交渉を再開し関係改善への具体的措置を求める要望書」を関係者に提出した。  要望書は、日本政府の対朝鮮制裁延長方針は鳩山政権が表明した友愛の精神に逆行していると強調した。  また、拉致問題をはじめとした諸懸案を解決するためには、制裁措置の延長ではなく、外交交渉を一日も早く再開し、関係改善のための具体的措置をとることが求められているとしながら、鳩山政権が日朝交渉を再開して新しい日朝関係をめざしていくよう、そして在日朝鮮人の外国人としての普遍的権利を確認するよう求めた。  そして、「高校無償化」措置の実施に際して朝鮮学校だけを除外しようとした政府内の一部の考え方は、世界中で普遍的に認められた民族教育の権利を踏みにじろうとするものだと批判した。  要請には、同連絡会共同代表の清水澄子、福山真劫、石坂浩一の各氏と和田春樹顧問、五十川孝事務局次長が参加した。(4月16日付、朝鮮新報から)
東京で太陽節祝う日朝の集い 「国交正常化に向けた実践行動を」
 「太陽節祝賀・日朝の集い」が9日、東京・千代田区の霞ヶ関ビルで行われた。  集いは、金日成主席生誕100周年記念日本準備委員会が主催した。同委員会は昨年10月、主席生誕100周年を迎えるとともに朝鮮が強盛大国の扉を開く年と定めた2012年を祝い、一日も早い朝鮮の自主的平和統一と朝・日国交正常化に向けた取り組みを進めるという趣旨で発足した。  集いでは「若き日の金日成主席」と題する映像が流された後、主催者を代表して同委員会の清水澄子委員長があいさつし、主席とのゆかりについて回顧しながら、日朝国交正常化を実現させるための実践行動を取っていこうと呼びかけた。  集いでは、鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授の祝杯の辞に続き、最近訪朝したメンバーや各地で日朝友好活動を繰り広げているメンバーなどが発言。参加者らは連帯を深めながら、主席生誕100年になる2012年に向けて活発に活動していく決意を新たにした。(4月16日付、朝鮮新報から)
大阪朝高入学式にアントニオ猪木氏
 5日に行われた大阪朝鮮高級学校入学式に「特別ゲスト」が参加した。元プロレスラー、元参議院議員の実業家、アントニオ猪木(本名=猪木寛至)氏が「事前予告」なしに突然現れ、生徒、教職員、保護者らを激励した。  サプライズは入学式がほぼ終わるころに起こった。猪木氏の登場に、生徒、保護者らは歓声と拍手を送った。  「元気ですかー! 元気があれば何でもできる!」  「1、2、3、ダー!!」  猪木氏の力強いかけ声に、生徒らは熱烈に応えた。  登壇した猪木氏は、過去数回の訪朝経験について述べながら、実際の朝鮮のイメージとはかけ離れた報道が日本のメディアを通じて流れているなどの問題点について指摘。「百聞は一見にしかず」と述べ、今後、日本と朝鮮の交流を促進するための環境が整備されていくことで国民同士が理解しあえると、その重要性について語った。 (4月7日付、朝鮮新報から)
岡山初中への補助金増額 岡山市議会で全会一致
 岡山朝鮮初中級学校への岡山市の補助金が今学年度から増額される。岡山市議会が全会一致で採択した。生徒一人当たり年間8000円だった岡山市の補助金は、「岡山市外国人学校補助金交付要領」にもとづき2万8000円となる。3.5倍の大幅増だ。  一方、老朽化した同校ブロック塀への補修費助成の請願が倉敷市議会で審議の結果、こちらも全会一致で採択された。  補助金増額と補修費助成獲得のために尽力したのは総連の助成金推進委員会(李建男委員長)と各界層の日本人で構成された「日本と南北朝鮮との友好を進める会」(「進める会」)だ。  朝鮮訪問、支援事業などを機に99年11月に結成された「進める会」は、チャリティーゴルフコンペなどの学校行事に参加する過程で、民族教育発展のために奔走する若い同胞たちの姿に深い感銘を受けたという。  同胞と「進める会」のメンバーは、互いのイベントに協力しあいながら、日常的に交流を深め、随時情報交換を行ってきた。岡山での朝・日親善運動には長い歴史がある。その過程で強い信頼関係を構築してきたことが、運動を進めるうえで大きなアドバンテージになった。  そして、昨年12月7日に「進める会」名義で提出した陳情書が同22日、岡山市議会で採択された。  「進める会」の森本榮事務局長(全労済県本部理事長)は、助成金の増額で朝鮮学校の保護者の負担を軽減することができたとしながら、日朝友好の大切さを強調した。  また、助成金増額が全会一致で採択されたことによって、今後の岡山での運動をより力強く推進できる展望を示せたと指摘。そのうえで、超党派の議員、学者、文化人が一つとなり、具体的なテーマを持って運動を進めていく「岡山方式」を継続して推し進めたいと述べた。  学父母たちは、「補助金増額に向けて尽力してくれた朝・日の人士たちに心から大きな拍手を送る」「ともに手を取り合って、民族教育をさらに発展させることができてうれしい」と話した。(4月5日付、朝鮮新報から)